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ストーリー

見知った顔が肉塊に変えられるさまを、

泣きたくなりながら見つめていた。

『なぜ痛いのか、なぜ地面に顔を付けているのか、

 そもそもここって何処ですか』

 

記憶喪失の少女”リゼット”は、修道院で穏やかな、
ごく普通のシスターとして日常を過ごしていた。

『周りを見渡せば、白い壁も磨かれた床も全てが赤く汚れていた。

 その上に転がっているのは、死体。』

――ある日、家族同然の仲間を皆、射殺するまでは。

「ま、動機はどうあれ君は立派な殺人者だ。それも、将来有望な」

逃げ込んだ先で出会ったのは、どこか胡散臭い青年”シャルク”。
リゼットは、生きるために彼の下で働くことを決める。
それから、捨てられた人造人間の”ライカ”を拾ったり、暴れてみたり。
波乱万丈紆余曲折ドラマチック――例えるならば、そんな日々。

――これは、とっても長くて、幸せな夢。
私には勿体無いほどの、幸せな日々の記憶。

 


Side by side Story

その時に、僕はもう恋をしていたのかもしれない。

極東の島国、裏社会を生きる柚子杜家に生まれた少女、”菜奈緒”。

「ナナオ、只今より貴方を、わたくしのバレット――従者に指名します」

 

遠い西欧の地から協力関係を持つためにやってきた、
魔術の名門ハインリヒ家に生まれた少女”マリア”。
二人は互いに惹かれ合い、愛し合うが……。

 

「――お嬢を愛しているのは、歪んでいる、のですか」

 

「この家には、もう居たくないの。

 だから、二人でどこか遠くに行ってしまいたい」

 

「ほんとうは、ころしたい。でも、おしごとだから。

 ころさないよ、ハインリヒ」

 


「――復讐。それ以上の理由がいるか?」
 

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